【合気道×旅】チェコ・プラハで合気道セミナーと道場巡りを楽しんできた-15
アプリで運行情報を確認し、駅の案内板もきちんと確認していただけに、「自分たちに落ち度があった」とはなかなか受け入れられませんでした。ただ茫然と立ち尽くし、目の前の状況をうまく飲み込めずにいました。
「落ち着け、落ち着け」
あえて声に出して自分たちに言い聞かせて、待合室へと向かいます。
どうにかウィーンへ行く方法を調べると、乗り換えは必要なものの、2時間半後にウィーンへ向かう電車があることが分かりました。
「このチケット、そのまま無料で変更してもらえるみたいだよ」
私は半ば新しいチケットを買う覚悟で代替ルートを探していましたが、マイクはチケットを買い直さずに済む方法を探してくれていました。
わずかな期待を胸にチケット売り場で事情を説明すると、拍子抜けするほどあっさりと、先ほど調べた便へと無料で変更してもらえました。
本来なら15時にはウィーンに到着し、少し観光も楽しむつもりでしたが、到着は17時過ぎになりそうです。
とりあえず駅構内のレストランでサンドイッチを買い、昼食にしました。すっかり自分たちの居場所になった、私たちしか利用していない待合室で、マイクは仕事を始めます。
一方の私は、本を読んでもパソコンを開いてもまったく集中できません。気持ちを落ち着かせようと駅の外へ出て、隅のベンチに座りながらぼんやりと時間を過ごしました。
次の電車が到着する15分前にはホームへ移動しました。
今度こそ失敗したくない。
何度も掲示板を確認しに行くと、到着数分前まで表示されていた「5分遅れ」の文字が突然消えました。おそらく、私たちが乗り損ねた電車も同じ状況だったのでしょう。
そして無事に乗車成功。
車内は個室タイプのボックス席になっていました。変更時に指定してもらった席には別の人が座っていたため声をかけると、どうやら指定券を持っていなかったようで席を空けてくれました。
個室には小さなお子さんを連れた家族も同乗していました。子どもは元気いっぱいで、ほかの席も使いながらにぎやかに過ごしています。とはいえ、こちらはすでに疲労困憊。ただ静かに座っているだけでした。
さらに災難は続きます。今度は電車が遅れ始めました。
乗り継ぎ時間はわずか10分。すでにその余裕はなくなっています。
普通なら焦る場面ですが、不思議と落ち着いていました。同じような状況は以前ドイツでも経験済みですし、万が一乗り継げなくても20分後には別のウィーン行きの列車があります。
乗り継ぎ駅のブジェツラフ(Břeclav)に到着する前、狭くて居心地の悪い個室を出て通路で待機しました。
駅に着くと、向かい側の列車へ急ぐ人たちが見えたので後を追います。
すると行き先表示には「Graz Hbf」の文字が。
時間つぶしの間に何度も眺めていた路線図のおかげで、この行先がウィーンであることを知っていました。念のためチケットを確認すると、同じ表示があります。
そのまま乗り込むと、どうやら私たちが乗っていた列車の到着を待っていてくれたようでした。
これでようやくウィーンへ行ける。
今日初めて、心からほっとできた瞬間でした。
外の風景を見ていると、Kさんからメッセージが届いていました。
「大丈夫?うまくいってる?」
私はこれまでの大変さを一気に報告しました。
すると返ってきたのは意外な言葉です。
「そうなんだ。でも旅には苦難がつきものでしょ」
その一言で、それまで抱えていたストレスが一気に吹き飛びました。
確かにその通りです。
私が旅を好きな理由は、自分の視野を広げたいから。そして新しい体験をしたいから。
Kさんの言葉は、そんな旅の原点を思い出させてくれました。
今回の旅で、彼には本当にいろいろな意味で助けられました。
17時過ぎ、無事ウィーンに到着しました。
トラムに乗ってホテルへ向かい、チェックインを済ませました。
すでに18時近くになっていたため、そのまま夕食へ。
ホテルの外へ出ると、「コツコツコツ……」という軽快な蹄の音が聞こえてきました。音のする方を見ると、観光用の辻馬車「フィアカー(Fiaker)」が道路を走っています。
中世の世界観が大好きな私たちは、ここでようやく観光気分を取り戻すことができました。
ウィーンはチェコに比べて物価が高く、飲食店のメニューを見るたびに少し気持ちが沈みます。
とりあえず近くの駅構内でケバブ店を見つけたので入ることに。
「量が多そうだからシェアしよう」
そう思って頼んだメニューは、ほぼ一人前サイズでした。
結局その後スーパーにも立ち寄り、部屋で二次会を楽しんでから就寝。]
長い長い一日がようやく終わりました。
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